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用語集glossary
あ行
- 陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)
- 精巣とそれを包んでいる膜の間に液体が溜まり、陰嚢が膨らんで大きくなる病気。痛みはなく、ほとんどは片側だけに起こる。精巣水腫とも言われる小児の病気。
- インフォームドコンセント
- 医師が患者さんに診療の目的・内容を十分に説明して、患者さんの納得を得て治療を行うこと。
- 会陰ヘルニア(えいんへるにあ
- 会陰(えいん:いわゆる陰部のこと)に出てくるヘルニア。
- 壊死(えし)
- 感染、物理的圧迫、化学的損傷、血流の減少など様々な原因により細胞が死ぬこと。
か行
- 観血的治療(かんけつてきちりょう)
- 外科的手術などの出血を伴う治療のこと。
- 嵌頓(かんとん)
- 主に腸がヘルニア門にはまり込み、元に戻らなくなった状態。膨らみが硬くなったり手で押さえても戻らず、お腹に強い痛みや吐き気を感じるようになる。このまま放置すれば腸が壊死(えし)する恐れがある。
- 外鼠径ヘルニア(がいそけいヘルニア)
- 鼠径部を走行する血管(下腹壁血管)の外側で発生する鼠径ヘルニアの名称。横筋筋膜(おうきんきんまく)にもともとある内鼠径輪(ないそけいりん)というすきまから主に発生する。間接型ヘルニアともいう。
- 合併症(がっぺいしょう)
- ある疾患に関連してともに生じる他の病気。手術や検査などが原因になって生じることがある病気。
- QOL(クオリティ・オブ・ライフ)
- クオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)の略語で「生活の質」と訳される。一般に、病気や治療に伴う犠牲により、どれだけ「人間らしい生活を送ること」が出来ているかを考慮し、治療による効果(成績)とあわせて考慮すべきという概念。
- 局所麻酔(きょくしょますい)
- 患者さんの意識消失を伴わない麻酔。主に、切開したり、人体の一部を切除する範囲が少ない手術や簡単な救急処置などで用いられる麻酔。
- 筋膜(きんまく)
- 筋肉を包んでいる比較的薄い膜。身体全体に張りめぐらされている網状の白くて薄い伸縮性のある組織。
- クーゲル法
- 形状維持するためのリングを有したRobert D. Kugelが開発した、鼠径ヘルニア治療用メッシュを用いた術式を言う。腹腔鏡を用いたヘルニア手術のように、手術中、ヘルニア門に至る過程で鼠径部の筋膜の損傷を軽減できる可能性が高い。また、ヘルニア門を形成する筋膜(横筋筋膜)の裏にメッシュを留置することで、補強したい筋膜を裏から支える形となり、腹圧によりメッシュが固定される特徴がある。
- クリティカルパス
- 疾患ごとに入院から退院までの検査の予定など一連の流れをスケジュール表のようにまとめたものを言う。
- 硬膜外麻酔(こうまくがいますい)
- 背骨の間から背中を走っている脊髄という太い神経のまわりに麻酔薬を入れて、手術する部位の痛みをとる方法。脊髄をおおっている硬膜という膜の周囲に麻酔薬を注入する。主として下腹部や下肢の手術の時に使用される。
- 根治(こんじ・こんち)
- 完全に病気が治り治療しなくて良くなった状態。また、治す治療のこと。
さ行
- 臍ヘルニア(さいへるにあ)
- お臍(へそ)の部分から飛び出したヘルニア。生まれて間もない時期に、おへその真下の筋肉が完全に閉じていないため、腹圧で、筋肉のすきまから腸が飛び出すとされている。俗に「でべそ」と言われる。
- 浸出液貯留(しんしゅつえきちょりゅう)
- 傷の表面からにじみ出て来る透明もしくはやや黄色っぽい液体が溜まる合併症。
- 上腹壁ヘルニア(じょうふくへきへるにあ)
- おへそより上(頭側)で真ん中に発生する腹部ヘルニア。正中腹壁ヘルニア(せいちゅうふくへき)とも言われる。
- 人工繊維布(じんこうせんいぬの)
- ここでは腹部、胸壁、ヘルニアの組織欠損の修復やヘルニアの治療に用いる医療用繊維(メッシュ)のこと。
- 側腹壁ヘルニア(そくふくへきへるにあ)
- 腹壁ヘルニアのうち、左、もしくは右の脇側に発生するヘルニア。おへそより下で真ん中より外側にできる。
- 鼠径へルニア(そけいへるにあ)
- 本来おなかの中にあるはずの腸やその一部が、鼠径部の筋膜のすきまや筋膜の弱くなった部分(ヘルニア門)から腹膜をともなって皮膚の下に出てくる病気。一般には「脱腸」と呼ばれている。おなかに力をかけた時や特定の体位をとった際に飛び出すが、膨らみを手で押さえればひっこむケースがほとんど。中には手で押さえても引っ込まないケースがあり、この場合は嵌頓(かんとん)の可能性がある。鼡径ヘルニアと記載される場合もある。
- 鼠径管(そけいかん)
- けい部にあるおなかと外をつなぐ筒状の管。
- 鼠径靭帯(そけいじんたい)
- 太ももの付け根にあり、腸骨と恥骨の間を張っている靭帯。鼠径(そけい)部の下端に位置し、大腿部に下る筋肉,血管,神経はこの靭帯の下(背中側)を通る。
- 鼠径部(そけいぶ)
- 鼠径靭帯の内側(お腹側)にあたる部分で、大きくは太ももの付け根の部分。この部分で発生するヘルニアを鼠径ヘルニアという。鼡径部と記載される場合もある。
た行
- TIPP法
- TIPP法(Transabdominal Preperitoneal Patch法)は、鼠径ヘルニアの治療に使用される手術法で、腹腔鏡を用いることが一般的です。TIPP法では、腹腔鏡を通じて腹壁の前面にメッシュを挿入し、ヘルニアを修復します。この方法は、体に小さな切開を入れることで行われ、腹腔内の臓器に触れずにヘルニアを治療するため、回復が比較的早く、痛みも少ないとされています。
- TAPP法
- 腹腔内(ふくくうない)到達法TAPP法:全身麻酔下で行う手術で、腹腔鏡を用いたヘルニア修復法の一つ。お腹の中に二酸化炭素のガスを入れてカメラを挿入してお腹の映像をテレビモニタで見ながら、ほかに2か所のきず(創:そう)をつけてここから棒状の器械(鉗子:かんし)をお腹に差し込んで手術するのが腹腔内到達法(TAPP:タップ法)である。術創がある方や再発ヘルニアで腹腔鏡手術を受ける場合は、TAPP法の適用となる。
- TEP法
- 腹膜外到達法TEP法:全身麻酔下で行う手術で、腹腔鏡を用いたヘルニア修復法の一つ。腹膜と腹壁の間に隙間をつくって二酸化炭素のガスを入れて空間を作り、ここに器械(鉗子)を差し込んで手術を行うのが腹膜外到達法(TEP:テップ法)である。TEP法はお腹の中に直接器具が入らないので、術後に腸管の癒着が少ないと考えられている。以前にお腹の手術をして手術瘢痕がある人や、再発ヘルニアの場合は癒着のために腹膜と筋肉の間に隙間が作れないのでTEP法はできない。
- 大腿ヘルニア(だいたいへるにあ)
- 鼠径(そけい)靭帯のふともも(大腿)側で、大腿血管が通る筒(大腿管)から発生する。女性に多いヘルニア。
- ダイレクトクーゲル法
- 位置決めや固定を容易にするストラップを付加したメッシュを用いた鼠径ヘルニアの手術法。クーゲル法は、メッシュを後方から挿入するのに対し、本法ではプラグ法と同様の前方から挿入する。
- 脱腸(だっちょう)
- 鼠径ヘルニアの日本での俗称、通称名称。
- 脱腸帯(だっちょうたい)
- ヘルニアで膨らんでいる部位を体表上から押さえることにより、一時的にそけいヘルニアの症状を軽くするための帯。ヘルニアバンド、ヘルニア用サポーターとも呼ばれる。
な行
- 内鼠径ヘルニア(ないそけいへるにあ)
- 鼠径部を走行する血管(下腹壁血管)の内側で発生する鼠径ヘルニアの名称。主に横筋筋膜(おうきんきんまく)そのものが弱くなることにより発生する。直接型ヘルニアともいう。